時間の使い方

フリーランス必見!
仕事とプライベートを両立する時間記録術

フリーランスがノートパソコンで時間管理をしている様子

「気づいたら今日も22時。また家族との約束を破ってしまった」。3年前の私は、週60時間以上働きながらも収入は伸び悩み、心身ともに疲弊していました。フリーランスとして独立した当初の「自由な働き方」という理想は、いつの間にか「終わりのない仕事」に変わっていたのです。

ランサーズ「フリーランス実態調査2024」によると、フリーランスの約6割が「仕事とプライベートの境界が曖昧」と感じています。フリーランスの時間管理は、会社員とは全く異なる難しさがあります。誰も終業時刻を決めてくれない。自分で仕事とプライベートの境界線を引かなければならない。そして、気づけば「働きすぎ」が当たり前になってしまう。

しかし、時間記録を始めてから、私の働き方は劇的に変わりました。週の稼働時間を45時間以内に抑えながら、収入は1.3倍に。何より、毎週日曜日は完全オフで家族と過ごせるようになりました。

この記事では、フリーランスが抱える時間管理の課題を整理し、時間記録を活用してワークライフバランスを改善する具体的な方法をご紹介します。筆者自身がフリーランスとして5年間活動する中で試行錯誤してきた経験をもとに、複数の案件を抱えながらもプライベートの時間を確保し、健康的に働き続けるためのヒントをお伝えします。

ノートパソコンで作業するフリーランスの様子

フリーランスが時間管理に苦労する3つの理由

フリーランスの時間管理がうまくいかないのは、意志が弱いからではありません。そもそも働き方の構造上、時間管理が難しくなる要因があるのです。

仕事とプライベートの境界線がない

在宅ワークが中心のフリーランスにとって、仕事とプライベートの切り替えは最大の課題です。

通勤がないため、「家を出る」という明確な区切りがありません。リビングにいながら仕事のメールをチェックし、夕食後にも「ちょっとだけ」とパソコンを開いてしまう。休日も「今日は暇だから少し作業しよう」と仕事モードに入ってしまう。

このように、物理的な境界がないことで、精神的にも仕事から離れることが難しくなります。結果として、常に仕事のことが頭から離れない状態が続き、心身の疲労が蓄積していきます。

在宅ワークを始めた最初の1年間、私は「仕事部屋」を持たずリビングで作業していました。家族がテレビを見ている横でパソコンを開き、「ちょっと待ってね」と言いながら夜10時まで仕事。今思えば、それが働きすぎの始まりでした。

「稼働時間」が見えにくい

会社員であれば、タイムカードや勤怠システムで自動的に労働時間が記録されます。しかし、フリーランスの場合、稼働時間の管理は完全に自己責任です。

「今月、何時間働いたのか」が把握できていないフリーランスは多いのではないでしょうか。特に複数の案件を並行して進めている場合、各プロジェクトにどれだけの時間を使ったのかが曖昧になりがちです。

稼働時間が見えないと、単価の低い案件に時間を取られすぎていることに気づけません。また、「今月は頑張った」という感覚だけで、実際の労働時間を過小評価してしまうこともあります。

私自身、時間記録を始める前は「週40時間くらいかな」と思っていましたが、実際に記録してみると週55時間以上働いていたことに気づきました。さらに驚いたのは、その半分以上が「時間単価2,000円以下」の低単価作業だったこと。感覚と現実のギャップを数字で突きつけられた瞬間でした。

自分で全てを管理しなければならない

フリーランスは、営業、制作、経理、スケジュール管理まで、全てを一人でこなす必要があります。このセルフマネジメントの負荷は想像以上に大きいものです。

会社であれば、上司がスケジュールを調整し、同僚がフォローしてくれることもあります。しかし、フリーランスには誰も「それは無理だよ」と言ってくれません。つい仕事を詰め込みすぎてしまい、結果として働きすぎになってしまうのです。厚生労働省の調査でも、フリーランスの長時間労働が課題として指摘されています。

複数のタスクに追われるフリーランスのイメージ

時間記録がワークライフバランスを改善する理由

では、なぜ時間を記録することが、フリーランスのワークライフバランス改善に効果的なのでしょうか。

「働きすぎ」を客観的に把握できる

時間記録アプリを使って稼働時間を記録すると、「自分がどれだけ働いているか」を客観的なデータとして把握できます。

「週50時間働いている」という事実を数字で見ると、感覚だけでは気づけなかった働きすぎに気づくことができます。データがあれば、「来週は45時間に抑えよう」という具体的な目標を立てることもできます。

特に、フリーランスは「働けば働くほど収入が増える」という意識から、際限なく仕事を入れてしまいがちです。時間を記録することで、健康的な労働時間の上限を意識できるようになります。

プライベート時間を意識的に確保できる

時間記録は、仕事時間だけでなくプライベート時間の確保にも役立ちます。

「今週は運動に3時間使った」「読書時間が先週より減っている」など、プライベートの時間配分も可視化できます。仕事以外の時間が減っていることに気づけば、意識的にプライベートの予定を入れることができます。

在宅フリーランスが生活リズムを整えるためには、仕事以外の時間も記録し、バランスを確認することが大切です。

案件ごとの時間配分が最適化できる

複数の案件を抱えるフリーランスにとって、案件管理と時間配分は重要なスキルです。

プロジェクト別に作業時間を記録することで、「このクライアントの案件には平均20時間かかる」「この種類の作業は見積もりより時間がかかっている」といった傾向が見えてきます。

このデータは、次回の見積もり作成や、案件の引き受け判断に活用できます。時間単価を把握することで、収益性の低い案件を見直すきっかけにもなります。

案件 報酬 実働時間 時間単価
A社 LP制作 15万円 25時間 6,000円
B社 バナー制作 3万円 8時間 3,750円
C社 コンサル 5万円 5時間 10,000円

このように可視化することで、どの案件に注力すべきか明確になります。

時間配分を可視化したグラフのイメージ

フリーランスのための時間記録術5つのステップ

ここからは、フリーランスが実践できる時間記録の具体的な方法を5つのステップでご紹介します。

Step1: 1日の作業カテゴリを決める

まず、自分の仕事を5〜7個程度のカテゴリに分類しましょう。

Webデザイナーの場合、例えば以下のようなカテゴリが考えられます。

  • デザイン制作
  • コーディング
  • クライアントとの打ち合わせ
  • 事務作業(請求書作成、メール対応など)
  • 営業・マーケティング
  • 学習・スキルアップ

カテゴリを決めておくことで、記録が習慣化しやすくなります。最初から細かく分けすぎると続かないので、まずはシンプルに始めましょう。

Step2: 作業開始・終了をワンタップで記録

タイムトラッキングで最も大切なのは、記録のハードルを下げることです。

スマートフォンアプリを使えば、作業開始時と終了時にワンタップで記録できます。「後でまとめて記録しよう」と思うと、正確な時間がわからなくなったり、記録自体を忘れてしまったりします。私も最初は手帳に手書きで記録していましたが、3日で挫折しました。アプリでワンタップ記録にしてから、ようやく習慣化できました。

ポモドーロテクニックを取り入れるのも効果的です。25分作業して5分休憩というリズムを作ることで、集中力を維持しながら自然と時間を区切ることができます。

Step3: 週次で稼働時間を振り返る

記録したデータは、週に一度振り返る習慣をつけましょう。

  • 今週の総稼働時間は何時間だったか
  • どのカテゴリに時間を使ったか
  • 目標とした時間に対して実績はどうだったか

週次レビューを行うことで、時間の使い方の傾向が見えてきます。「打ち合わせに想定以上の時間を取られている」「事務作業が多すぎる」といった気づきがあれば、改善策を考えることができます。

Step4: プライベート時間も「予定」として確保

フリーランスが仕事とプライベートのメリハリをつけるコツは、プライベートの時間も予定として確保することです。

「19時からジムに行く」「日曜日は完全オフ」といった予定をカレンダーに入れておきましょう。仕事の依頼が来ても、「その時間は予定があります」と言えるようになります。

プライベートの予定を「空き時間」ではなく「確定した予定」として扱うことが、ワークライフバランスを守る第一歩です。

Step5: 月次で働き方を見直す

月に一度は、より大きな視点で働き方を振り返りましょう。

  • 月間の総稼働時間と収入のバランス
  • 各クライアントへの時間配分
  • プライベート時間は十分に確保できたか
  • 心身の調子はどうだったか

月次レビューでは、「来月はもう少し仕事量を減らそう」「このクライアントの単価を見直そう」といった中長期的な判断ができます。

カレンダーで月間スケジュールを確認する様子

仕事とプライベートを切り替える3つのコツ

時間記録と合わせて実践したい、仕事とプライベートの切り替えを助けるコツをご紹介します。

物理的な「終業儀式」を作る

在宅ワークでも、「仕事が終わった」という区切りを意識的に作りましょう。

  • パソコンを閉じてカバンにしまう
  • 仕事用のデスクから離れる
  • 仕事着から部屋着に着替える
  • 短い散歩に出かける

このような「終業儀式」を決めておくことで、脳に「仕事モード終了」のサインを送ることができます。通勤がないフリーランスだからこそ、意識的に切り替えのルーティンを作ることが大切です。

通知オフ時間を設定する

スマートフォンの通知は、仕事とプライベートの境界を曖昧にする大きな要因です。

フリーランスの働きすぎ対策として、19時以降はSlackやメールの通知をオフにする、という設定をおすすめします。緊急の連絡は電話で来るはずですし、翌日対応しても問題ないメールがほとんどです。

「すぐに返信しなければ」というプレッシャーから自分を解放することで、プライベートの時間を本当の意味で楽しめるようになります。

「今日の作業終了」を記録で宣言する

時間記録アプリで「今日の作業終了」を記録することは、自分への宣言になります。

記録を見返したときに「18時30分に終業」と残っていれば、その時間以降は仕事をしなかったことが明確になります。逆に、「結局21時まで働いてしまった」という日があれば、それも記録として残ります。

この「宣言と記録」の習慣が、自分自身の働き方を律するきっかけになります。

時間記録アプリの選び方とおすすめ

最後に、フリーランスに適した時間記録アプリの選び方をご紹介します。

フリーランスに必要な機能とは

フリーランスが時間記録アプリを選ぶ際は、以下の機能をチェックしましょう。

必須機能

  • ワンタップで記録開始・終了ができる
  • プロジェクト(案件)ごとに時間を分類できる
  • 週次・月次のレポートが確認できる

あると便利な機能

  • カレンダーとの連携
  • 習慣トラッキングとの一元管理
  • グラフやチャートでの可視化

複数のアプリを使い分けると管理が煩雑になるため、なるべく一つのアプリで完結できるものを選ぶのがおすすめです。

Lifelogで実現する時間の見える化

私自身が時間管理の改善に最も役立ったのが、ライフログアプリ「Lifelog」でした。時間記録と習慣管理、目標設定を一つのアプリで一元管理できるため、複数のツールを使い分ける煩わしさがありません。

Lifelogの時間記録機能では、プロジェクトごとに作業時間を記録し、円グラフで時間配分を可視化できます。「今週、どのクライアントの仕事に何時間使ったか」が一目でわかるため、先ほどの表のような案件別の収益性分析も簡単に行えます。

また、習慣トラッキング機能を使えば、「毎日18時に終業する」「週3回運動する」といった習慣も記録できます。私はこの機能で「終業時刻を守れた日」を記録し始めてから、定時退勤の習慣が身につきました。仕事だけでなく、プライベートの充実度も含めて、ワークライフバランス全体を見える化できるのが特徴です。

Lifelogの主なメリット

  • スマホからワンタップで時間記録を開始・終了
  • プロジェクト別の時間集計で案件ごとの稼働が明確に
  • 習慣トラッキングでプライベート時間も管理
  • 週次・月次レポートで働き方を振り返り

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Lifelogアプリの時間記録画面のイメージ

まとめ:記録することで「働きすぎない働き方」を実現

フリーランスにとって、時間管理は避けて通れない課題です。しかし、時間を記録する習慣を身につけることで、多くの問題を解決できます。

冒頭でお伝えした通り、私自身も時間記録を始める前は週60時間以上働いていました。しかし今では、週45時間以内の稼働で収入は1.3倍に。これは特別な才能ではなく、「自分の時間を見える化した」結果です。

この記事のポイント

  • フリーランスは構造的に時間管理が難しい働き方である
  • 時間記録によって「働きすぎ」を客観的に把握できる
  • 5つのステップで時間記録を習慣化する
  • 終業儀式や通知オフで仕事とプライベートを切り替える
  • 一元管理できるアプリを選ぶことで継続しやすくなる

「今日も働きすぎた」と後悔する日々から抜け出すために、まずは1週間、時間を記録してみることから始めてみませんか。自分の働き方を数字で見ることで、きっと新しい発見があるはずです。

フリーランスだからこそ、自分で自分の働き方をデザインできます。時間記録を味方につけて、仕事もプライベートも充実した毎日を手に入れましょう。

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参考文献

この記事の監修者
監修者名

監修者名 株式会社techlive 代表取締役

大学在学中からエンジニアや作曲家として複数の事業を行うパラレルワーカー。
常に時間に追われ"将来への不安"を抱えていたことをきっかけに、自分が本当に使い続けたい「人生を改善できる自己管理アプリ」を目指してLifelogを開発した。
このブログでは、目標達成や理想のライフスタイル実現に役立つ情報を発信している。